小粒でも鮮やかに

地方院生の日記

帰ってきました

 前の記事を見て懐かしい気持ちになるくらいには放置していたこのブログをまた始めようと思う.

 

 学部3年生を終えて,私はいよいよ大学院進学を決め,院試を経て,現在は地方の大学院に外部進学した.初めてのひとり暮らしは慣れないことも多いが結構楽しんでいる.なにより大学まで歩いて行けるのがいい.早朝から深夜まで大学にいることができるのは大きい.終電という概念が存在しないからだ.

 

 進学先の研究室はみんないい人で(学部の時の研究室もみんないい人だったが),特にボスが親切心の塊と言うか面倒見の良さがカンストしているというか,とにかく熱心な方でありがたい.外から手助けはするが,基本的には自分であれこれやってみてというスタンスもまたいい.求めていた環境に来られたなと感じている.

 

 なにより,大学院に進学するような人たちは良い意味で他人に興味が無くていい.

 私は対人の際,相手の顔色をうかがって,自分の意にそぐわない反応を相手が喜ぶように返すことが多い.しかし院生,助教,ボスはそういう反応に対して明確につまらなさそうというか,疑問の表情を浮かべる.

 研究への指摘に対しても「おっしゃるとおりです」と言ったら「そこは反論してほしい」とボスにやさしく笑われた.そうか,私の研究なんだから,外野からの指摘に迎合ばかりしていたらあかんぞということかとその時なんとなく思って「はあ」と言った.

 

 ラボや大学の色は存在するだけあると思うが,前の所属先では相手の意見に迎合するスタイルが喜ばれるというか,「そうだろうそうだろう」みたいな反応を返す人たちが多かったように思う.(直接の指導教員はそうではないのが救いだった)

 そしてこのスタイルは,私が経験してきた多くの労働現場で通じる対人スキルであった.少なくとも私の中では.上司の意見に反論するなど論外,といったていで徹底的に「教育」されてきた身としては,「迎合するな,お前の意見を聞かせろ」という姿勢はまだ少し難しいと感じてしまう.

 ただ,この迎合し続けるばかりの自分が嫌だったし,研究活動をする人たちはちょっと違うんじゃないかという期待をして大学に進学したので,大学院でついに自分の意見を言っていいんだ,生意気野郎とか言われなくていいんだという安堵もある.

 

 他人の顔色をうかがわず,自分の意見をまっすぐに角が立たないように伝えるというのは結構骨が折れる.でもやっと,自分が望む環境に来られたから頑張ろうと思える.後から見返したらきっとものすごい他責で自分勝手な記録なんだろうけど,そんなものだろう日記なんて.そもそも野垂れ死に人生みたいなところがあるし.

 とりあえず続けられる限りやってみます.